2026/07/24 10:00



【オビマリ】

武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒。
グラフィックデザイナーとして広告賞・パッケージデザイン賞など多数受賞。培った「極限まで要素を削ぎ落とし、一瞬で伝える引き算の美学」をペインティングに昇華。表層の平坦さと、内面に潜む激しい感情のギャップを、厚みゼロの絶対的フラットな画面で表現。


【アーティスト:オビマリ について】

・制作のテーマ・コンセプト
[The Lost 6 Seconds.]
怒りが生まれた瞬間、人の感情は最初の6秒間に最も強く現れると言われています。しかし現代社会では、その衝動は抑制され、感情を平坦に整えることが求められます。
わたしが描いているのは、人々が日常のなかで飲み込んできた「失われた6秒間」のポートレートです。
輪郭の内側には、行き場を失った激しい感情のテクスチャが封じ込められています。しかし絵の具の層に厚みはなく、画面は完全にフラットです。激しい熱量さえも平らに押し潰してしまう現代社会の構造——そしてその奥で、確かに生き続ける人間の息遣い。わたしの作品は、その狭間を描いています。

・影響を受けたもの(人・作品・体験など)
学生時代の印刷実習(シルクスクリーンや版画など)

・現在の表現方法に行き着いた理由
「感情の鮮度が高いうちに、転写するように作品として残せないか」という思いからです。

・作品を通して伝えたいこと、どんな人に届いてほしいですか?
社会のために、理性で押し殺してしまったあなたの『名前のない熱量』は、決して無かったことにはならない。私はそれを描いて存在させ続けます。


【作品について】


・作品名:『清姫』

・作品の説明
本作は、日本の伝統的な説話『安珍・清姫伝説』の清姫をモチーフにした、F100号の大型ポートレートです。裏切りを知った清姫が激しい怒りによって蛇へと変貌し、愛する人を鐘ごと焼き殺してしまう——愛が憎しみへと変わる悲劇の物語です。本作で表現したかったのは、その変貌が起きる直前の心情です。
悲しみの中にチリチリと散る火花のような感情のテクスチャを、あえて厚みを排した独自の平坦な画面に封じ込めました。
作品の見どころは、左右非対称に描かれた表情にあります。向かって左の顔には沸き立つ「怒り」を、右の顔にはすべてが終わりへと向かう「冷めた視線」を宿らせ、ひとつの画面の中に共存させました。そして両方の瞳の奥には、彼女の破壊衝動の源泉である「安珍」の姿が映り込んでいます。古典の枠組みを借りながら、今を生きる人間の生々しい息遣いと、行き場のない熱量を真正面から突きつける作品です。

・使用素材・技法
アクリル・水彩紙

・制作年
2026年

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・この作品はどのように鑑賞してほしいですか?どんな人に届けたいですか?
日常をやり過ごすために「感情を整えて」生きる私たちが、心の奥底に静かに眠らせている「名前のない熱量」。それを清姫の姿に重ね合わせ、自分の身代わりのように対峙できる存在になれたなら、これ以上の喜びはありません。

・見る人によって解釈が変わる部分はありますか?
清姫の「怒り」と「冷めた眼差し」どちらに自分を重ね合わせるかによって、この絵が復讐の物語に見えるか、痛みの物語に見えるか、受け取り方が変わる作品だと思っています。

・「アート×Tシャツ」についての感想・想い
SNSを通じて誰もが気軽に「好きなもの」を発信し、シェアし合える文化が根付いた今、「自分の身体を通して大好きな作品を誰かとシェアできる」ことは、現代らしいアートのアプローチだと感じています。

・あなたのアートがTシャツになることにどんな違和感や可能性を感じますか?
日々、感情を抑えて生きている人々が、このTシャツを身にまとうことで、内に秘めた熱量を静かに表明できる。それは、アートがギャラリーを飛び出して、社会の中で生きる人々とダイレクトに繋がる、新しい連帯の形になるのではないかと期待しています。


【経歴・受賞歴】

■主な展示・実績
2021年 個展 「いつまでガマンすればいいんですか!?展」渋谷SACS


【今後の展示・イベントについて】

■未定
※詳細はアーティストSNSをご確認ください。

・来場者へのメッセージ
絵の具のテクスチャ(感情の熱量)と、平坦な画面とのギャップに、この作品のこだわりを凝縮しています。ぜひ作品のすぐそばまで近づいて、絵の具の層に封じ込めた息遣いを感じてみてください。
まだ始めたばかりですが、Instagram(@obi_mari)では日々の制作プロセスを発信しています。もし少しでも心が動いたら、フォローしていただけると嬉しいです。これからの制作も、どうぞ見守っていただけたら幸いです。