2026/07/31 10:00

【千道】
水墨画会「漂墨」主宰。
1987年大阪府堺市生まれ。岐阜県郡上市で育ち、現在は神奈川県藤沢市を拠点に活動。
伝統的な水墨画を基盤に、独自技法「雨墨(AMAZUMI)」を用い、自然と人為、偶然と意図、認識と現実のあいだに生まれる「Liminality(閾)」を探究している。雨を作品制作に参加する主体として取り込み、意味や解釈が与えられる以前の現実の断片を作品へ記録することで、作者性や認識の境界、そして世界の見え方そのものを問い直している。

【アーティスト:千道 について】
・制作のテーマ・コンセプト
制作のテーマは、「Liminality(閾)」です。
自然と人為、偶然と意図、認識と現実など、一見対立する概念のあいだに生まれる境界や、その揺らぎを探究しています。私たちは世界をありのまま見ているのではなく、それぞれの経験や文化、価値観を通して認識しています。作品を通して、その境界に存在する豊かな階調や曖昧さを可視化することを目指しています。
・影響を受けたもの(人・作品・体験など)
水墨画の伝統技法や禅の思想、そしてバックパッカーとして世界各地を旅した経験が現在の制作の土台になっています。旅を通して、文化や価値観によって同じ現実でも異なる世界として認識されることを実感しました。また、報道カメラマンである父の影響もあり、「現実を記録すること」と「現実をどう認識するか」というテーマに自然と関心を持つようになりました。
・現在の表現方法に行き着いた理由
水墨画を学ぶ中で、人が水と墨を制御する「調墨法」という技法に魅力を感じました。
一方で、その制御を自然へ委ねたら何が生まれるのかという疑問から、雨を用いる独自技法「雨墨(AMAZUMI)」を考案しました。雨という自然現象を制作プロセスへ取り込むことで、作品は作家だけで成立するものではなく、自然との関与によって生まれるものになります。そのプロセスを通して、「作者とは誰なのか」という問いも作品の一部になると考えています。
・作品を通して伝えたいこと、どんな人に届いてほしいですか?
特定のメッセージを伝えたいというよりも、作品をきっかけに、自分が世界をどのように認識しているのかを少しだけ揺さぶる体験になればと考えています。一つの正解を提示するのではなく、それぞれの経験や価値観によって異なる解釈が生まれる余白を大切にしています。美術に詳しい人だけでなく、日常のなかでふと立ち止まり、自分の見ている世界について考えてみたいと思う人に届いてほしいです。
【作品について】

・作品名:『人9070301』
・作品の説明
墨を雨に打たせる技法【雨墨】と、シルクスクリーンによるタイポグラフィで描かれたこの作品は、鑑賞する向きによって作品の持つ意味を変える。
この作品は 2023/8/15に、台風が淡路島を通過した際の雨を利用して作成した。
・使用素材・技法
雨墨、シルクスクリーン、木製パネルに和紙
・制作年
2023
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・この作品はどのように鑑賞してほしいですか?どんな人に届けたいですか?
作品を通して、自分自身が世界をどのように認識しているのかを少しだけ見つめ直す時間になれば嬉しいです。
美術に詳しい人だけでなく、日常のなかでふと立ち止まり、自分の見ている世界について考えてみたいと思う人に届いてほしいと思っています。
・見る人によって解釈が変わる部分はありますか?
それを前提として制作しています。人は経験や文化、価値観によって異なる世界を認識しています。作品の意味も一つではなく、それぞれの見方によって立ち上がるものだと考えています。
・タイトルはどのタイミングで決まりましたか?
雨墨を施した日付が8/15(終戦記念日)だったことから、作品の方向性を決めてタイトルを決めました。
・「アート×Tシャツ」についての感想・想い
絵画がTシャツになることで、「作品とプロダクト」「鑑賞と使用」「美術館と日常」といった境界が揺らぐ変化に面白さを感じています。作品は壁に掛けられるだけでなく、人の身体とともに街を歩き、新しい文脈や風景のなかで存在することができる。その変化もまた、私の探究する「Liminality」の一つだと考えています。
・あなたのアートがTシャツになることにどんな違和感や可能性を感じますか?
絵画は壁に掛けて鑑賞するものという前提がありますが、それが衣服になることで、作品は「見るもの」から「身にまとうもの」へと変化します。作品との距離や関係性が変わることで、作品と鑑賞者の境界も変化し、新たな認識や体験が生まれる可能性を感じています。
【経歴・受賞歴】
■活動歴
2011年より水墨画を始める
■主な展示・実績
◆受賞歴
2024
・[different kyomachibori art fair 2024]
《審査員賞受賞》 Chignitta 谷口純弘賞/BY THREE 吉田貴紀賞/roid works gallery 井浦歳和賞
◆展示歴
2026
・[守破離 -現代水墨画4人展](大丸・松坂屋 貴賓会)グループ展
2025
・[守破離/SHUHARI](東京/大丸東京)グループ展
・[MEET CULTURE in OSAKA 2025](大阪/SEASIDE STUDIO CASO)アートフェア出展
・[SAME SAME BUT DIFFERENT](大阪/chignitta)個展
・[水墨画土屋一門合同社中展](東京/日仏会館)グループ展
2024
・[different kyomachibori artfair](大阪)アートフェア出展
2023
・[遊涼み ~現代アーティストコラボ提灯] (福岡/PARCO福岡)企画展
◆メディア
2025 BS フジ [ブレイク前夜 ~次世代の芸術家たち~] 出演
■受賞歴など
Different art fair kyomachibori 2024 審査員賞3冠受賞(Chignitta 谷口純弘賞/BY THREE 吉田貴紀賞/roid works gallery 井浦歳和賞)
【今後の展示・イベントについて】
■2027年春 個展予定
東京
※詳細はアーティストSNSをご確認ください。
・来場者へのメッセージ
作品や制作について気軽にお声がけください。作品だけでなく、制作プロセスや「雨墨(AMAZUMI)」についてもお話しできれば嬉しいです。
