2026/05/15 17:00

【有村佳奈】
ウサギの仮面をつけた女性をモチーフにした絵を中心に描き、『現代を生きる乙女の生と死』の表現に取り組んでいる。2024年にパリでの初個展が開催、台北での展覧会に参加等、海外での活動の場が広がっている。2024年に女子美奨励賞を受賞。2025年に個展「Real」をtagboat(東京)で開催。その他、本の装画等のイラストレーションも行う。
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~INTERVIEW~
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Q.第3段コラボとなりました。今回もありがとうございます!今回はシリーズ作品を1枚のアートTシャツとしたデザインやワンポイント刺繍を施したデザインにさせていただきました。有村さんの中で好きなポイントや見ていただきたいポイントがあれば教えてください。
第三弾では、シリーズ化した6作品をひとつにまとめたり、可愛い刺繍入りのTシャツにしたりと、これまでとはまた違ったデザインに仕上げています。さらに、私の作品に添えている詩をシャツの裏面に入れているのもポイントです。普段は見えない部分なので、さりげないファッションの楽しみ方になっていると思います。これは作品だけでは表現できない、Tシャツならではの見せ方です。着る人と作品の“裏側”を共有できているような感覚があって、作者として嬉しく感じています。
Q.「移ろいゆくI~VI」について、こちらの作品はシリーズ作品ですが、それぞれのメッセージや作品へ込めた想い、こだわりを教えてください。
このシリーズでは、渋谷に佇む乙女の背景が、少しずつ花へ変化していく様子を描いています。動画ではなく、絵画の連作として表現していて、アニメーションの原画のように“時間の流れ”そのものを絵で表現しました。
Q.「移ろいゆくI~VI」について、制作時エピソードや作品制作の経緯を教えてください。
この作品を“動画のように見せる”発想は、あるアプリで見たAIエフェクトがきっかけでした。最近の加工アプリには、写真を一瞬で美しい動画に変える機能がたくさんあります。その中でも特に衝撃を受けたのが「AI Flower effect」です。風景を花で埋め尽くし、“映える世界”を数十秒で作り出していました。なぜそこまで衝撃を受けたのかというと、2020年のコロナ禍で外出が制限されていた頃、私自身が「花園に包まれた乙女たち」というシリーズを描いていたからです。閉塞感のある時代の中で、「せめて絵の中だけでも自由で華やかな気持ちになれたら」という思いを込めて、ロケハンから撮影、構成まで、時間をかけて丁寧に制作していました。もちろん、私の作品とは手法も意図も違います。ですが、「現実を美しく見せたい」という根本的な欲求は同じだと感じました。だからこそ、“手軽に変えられる”ことへの違和感や、どこか悔しさのような感情も湧いてきたんです。そこで今回は、あえて“手軽ではない方法”で挑戦することにしました。今の時代は“タイパ”が重視され、あらゆるものが加速しています。でも、その先に何があるのかは、まだ誰にもわからない。だからこそ私は、「時間をかけること」の意味を改めて考えながら、一枚一枚に想いを込めて制作しました。
Q.「赤いラブレター」について、作品のメッセージや作品に込めた想い、こだわりを教えてください。
「赤いラブレター」は、第二弾でTシャツにもなった「私の消失」と同じく、“自分に銃を突きつける”構図で描いた作品です。ただ、今回は作風や見せ方をアレンジしていて、可愛らしさの中に不気味さもある、POPな作品に仕上がっています。私たちの中にある相反する感情が、そのまま表れているような絵になったと思っています。
Q.「赤いラブレター」について、制作時エピソードや作品制作の経緯を教えてください。
“自分に銃を突きつける”構図の作品は、2022年頃から定期的に描き続けています。同じ構図でも、その都度向き合い方が違っていて、毎回不思議と「また描きたい」と思わされるんです。ただ、この手の作品はSNSに投稿するとBANされてしまうことも多くて、センシティブな表現としてNGを受けることがあります。仕方ないとは思いつつ、そうやって規制されるほど、逆に惹かれてしまう部分もあります(笑)。それに、この絵を描き続けている理由には、自分の中の“何かをリセットしたい”という感情が関係しているのかもしれません。描き続けることで、まだ自分でもはっきり言葉にできていない「なぜ描くのか」が、いつかわかるのではないか——。そんな不思議な感覚で制作しています。
Q.「非常口」について、作品のメッセージや作品に込めた想い、こだわりを教えてください。
非常口マークのピクトグラムを、私なりの解釈で作品として描いています。
Q.「非常口」について、制作時エピソードや作品制作の経緯を教えてください。
フラットな表現で描いているので、一見するとあまり時間がかかっていないように見えるかもしれません。実際、デジタルで描いてプリント作品にすれば、フラットな塗りは比較的スピーディーに仕上げることができます。でも、これをアクリル絵の具で表現すると、実はかなり難しいんです。フラットな表現ほど、色塗りや仕上げの繊細さが求められます。この作品は、フラットな表現に本格的に挑戦した第一号でもあるので、その難しさや苦労を強く実感した作品になりました。
Q.今回の3作品について、どのように鑑賞し(着こなし)、どんな人に届けたい(見ていただきたい)ですか?
「移ろいゆく I〜VI」は、青を基調にした爽やかな印象の作品なので、夏にぴったりだと思います。他にもPOPな雰囲気の作品が2点登場しているので、刺繍デザインと合わせながら、ぜひ自由に着回しを楽しんでほしいです。
Q.これまでの第1弾~第3段までのコラボでお客様からお声があった作品や、有村さん自身でお気に入りの作品があれば教えてください。
実際に作品を購入してくださった方が、自分のコレクション作品のTシャツも選んでくださっていて、コレクターの皆さんにも喜んでいただけて嬉しく思っています。私自身も、シャツの着心地がとても良くて、どのデザインも気に入っています。中でも第一弾の「ねがいごと」は、カフェラテのような色味のコーディネートと相性が良くて、お気に入りです。これから夏に向けては、ブルー系のデザインやPOPなTシャツが映える季節になるので、どんなファッションができるのか楽しみにしています。
Q.前回、「制作時の着想」として「欲と生きる意欲」について考え、心を揺らしていると仰っていました。今現在、この心の揺らぎから制作に成ったもの、チャレンジしていることがあれば教えてください。
「欲と生きる意欲」から着想した作品は4月に開催されたtagboat art fari2026で発表させていただきました。私のブースはだいぶピンクな仕上がりになりましたね(笑)。次は9月ごろに東京の高円寺にあるGallery +Cafe「Clouds」で個展予定なので、また次はどんな展開になるか、ぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです。
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